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ワークショップ報告 その1-酢水をつかった無垢板の床掃除-

今週は日曜に行った「床掃除」そして水曜の「左官体験」と、ワークショップ続き。
準備も含めるとワークショップでもう金曜、な一週間となりました。
記憶が鮮明なうちに(!)簡単ではありますが順に、ご報告をしていこうとおもいます。

「その1」は急すぎる告知にもかかわらず、参加者ゼロではなかった(笑)「自然素材の家でお掃除体験ワークショップWS」。
本当にありがとうございました。お茶の時間も充実、0と1では全く違いますね。。
酢水を使っての水拭きを実際にやってみていくつかわかったこと、感じたことを記したいと思います。
 

  *    *    *

自然素材を使って建てられ、実際に使われているお宅をご好意でお借りしての開催となりました。
今回お掃除をした床ですが、無垢のサワラ板を使っています。
水廻りだけ防水のためドイツ系の浸透性塗装をしていますが、
ほかは特に塗装をしていませんでした。
竣工から9年ほど経過していますが、
普段は掃除機をかけるくらいで、一ヶ月に一度水ぶきをする程度のお手入れだった由。
全体的に黒ずんだ膜のような汚れが貼っていて、
人がよく通るところはとくに、黒ずみが目立ちました。

用意したもの。お酢、スプレーボトル、雑巾。お酢は百円ショップで入手。
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汚れ具合にもよると思いますが、当日は酢と水を混ぜたものをスプレーボトルに詰め、床に吹きかけながら、雑巾でふき取っていくという方法。
たまった汚れを落とすには、この方法が使いやすいです。
軽いお手入れなら、バケツのお水にお酢を少し加えたもので雑巾を絞って使うのが良さそうです。



階段の登り口などに目立つ、人の皮脂に汚れが付着した黒ずみには、よく効きます。
それに比べると水染みはやや落ちづらい印象。
盲点だったのは、防水のため塗装してあった水廻りの水染みが特にひどく、これは、塗装に含まれていたワックス成分が白く浮いてしまったのではないかと予測。
これも、酢水のスプレーで拭いていくと、ポロポロと消しゴムのカスのような汚れになって落とすことができました。

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かなり綺麗になり、満足のいく結果に。
「まるで新築のようにぴかぴかに!」という表現をしても過大広告にならない(笑)。

針葉樹の無垢板のさらさらっとした足ざわりが戻り、家庭用洗剤を使わないで
汚れ落としができることを体験していただけました。

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この後は、再び汚れが付きにくいように、オイルぶきをしておくと良く、
日常的には掃除機とからぶき程度のお手入れで十分です。

水拭きを頻繁にする場合は、オイル成分が落ちやすいので、再塗装の頻度を増やす必要があります。
洗えば洗うほど、汚れが付きやすくなるので、程ほどにオイルを落とし過ぎないのが良いのですね。
ちょっと、「洗顔」に似ているような。


  *    *    *


無垢板の良さを活かすには、まずは塗膜を貼って呼吸を止めてしまうような
塗装をしたくないものですが、今回のWSを通じて防水性を持たせるための部分的な塗装にも注意が必要だということが実感できました。

防水性を期待しての塗装であっても、メンテナンスフリーということではなく、日常の乾拭きや定期的に塗装し続ける必要が出てきます。
ならば、水染みにだけ気をつけて、すぐふき取るようにしておけば、かえって塗装するよりも綺麗に使えるのではないかな…?「水廻りには塗装」という定式にも、再考の余地がありそうです。(が、これは今後の課題といたします。)

昔から、「灰汁洗い(あくあらい)」といって、日本には建築の木部の汚れを落とす技があり、
専門の職人さんが今もいらっしゃいます。
今回はお酢を使いましたが、灰の上澄み液を使って真っ黒になった外壁や軒、真壁の柱、床も新しい木肌のように蘇らせる 驚くべき技術です。

切り倒された木のもっている命を長く保つための知恵が、引継がれてきたのですね。
無垢板というと、傷がつきやすく汚れやすいというイメージがありますが、塗装をしない板こそ、再生できるポテンシャルを持つ力のある素材であることを、いまさらながらに実感できたのが大きな収穫でした。

第2回の開催は未定ですが、次回ある場合は、もうすこし早めの告知をさせていただきます。
よろしければご参加くださいませ。
最後になりますが、快く会場を貸してくださったAさんに心からのお礼を申し上げます。
本当にありがとうございました。
by o-oik | 2012-05-11 13:37 | メンテナンスのこと


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