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# by o-oik | 2020-07-06 20:55 | お知らせ

『建築にできること』 ー会報誌掲載文より

この数ヶ月は足が遠のいてしまっていますが、通っていた教会の婦人会にて

以前「建築にできること」というテーマで小一時間ほどスライドを使いお話をさせていただく機会がありました。その枚数、90枚超(やりすぎです…笑)


その内容をぎゅーと圧縮した報告文を転載します。


設計事務所には馴染みが薄い方がほとんどですので、

設計事務所って?という話に始まり、木の話と拙作の紹介をしながら健康にとって温熱環境が大切である、などなどさせて頂きました。


◯年も通って顔は知っていてもおそらく怪しい人だと思われて板に違いなく(笑)どんな人なのかをお伝えすることができた貴重な機会を頂いたこと、感謝しております。(と、ここに書く。。)


お話の後には、無垢の板のサンプルを数種類廻して、

実際に触っていただきましたが、樹種によって肌触りや温感(ひんやりする・暖かい感じかする)も違ってくることを体感できたと感想の声が嬉しかった覚えがあります。


教会からも歌うことからも(聖歌隊にも所属)遠ざかったまま過ごしたこの数ヶ月。

いかに支えになっていたかを痛感しています。


また、どこかで思い出していただけたらと。。


以下に冒頭は割愛させていただき転載します。

スライドで紹介した写真を添えまして。


丹沢の諸戸林業さんのヒノキ。切りたての小口からは始終フルーツのようなフレッシュな芳香が。「どのアロマオイルよりも切りたての香りが一番好き」という言葉が今も印象に残っています。


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「建築にできること」


 昨年11月、丹沢ヒノキの伐採ツアーに参加した。設計仲間や建設会社の若い大工、監督も連れ立ち山道を登る。

『建築にできること』 ー会報誌掲載文より_e0132960_13212937.jpg

先頭を行くのは5㎏のチェーンソーを担いだ小柄な女性、木こり歴は15年。30分程登ると今度は台風で傷ついた桧を小一時間ほどかけ切り倒す。一帯の120年生桧林はこうして守られたものだ。

『建築にできること』 ー会報誌掲載文より_e0132960_13213716.jpg
『建築にできること』 ー会報誌掲載文より_e0132960_13214068.jpg

平地に植林できる外国産のような機械化は叶わない。


木材自給率は20%にまで落ち込むが、地域材の輸送過程でのCO2排出量は欧州材の115、木肌の美しさを損なわない乾燥技術を持つ加工場が全国の産地にはあり、木を扱える大工の技術も今なら辛うじて残る。

『建築にできること』 ー会報誌掲載文より_e0132960_13311073.jpg


木の持つ「質」への感性は日本特有のものという。


暮らしと地続きの文化を繋ぐには魅力を伝え仕事を創ること、無垢材の「質」に力を借りることと思う。

 

『建築にできること』 ー会報誌掲載文より_e0132960_13321498.jpg


唐松、椴松、杉、桧、椹、楢…色合い香り硬さに温度感、その存在感はみな違う、触ればワカル。


 私に出来るのは器を造ることで、性能(北海道出身者として冬の暖かさの大切さは特に強調したい。)や光や間取り、空間の力で人を幸せにできると本気で信じているが同時に器に過ぎないとも。


「家を開くことで心も開く」これは住み開きを実践する女性の言葉。鍵を握るのはいつも住まい手なのだと改めて思う。


この機会に感謝。

『建築にできること』 ー会報誌掲載文より_e0132960_13332901.jpg


# by o-oik | 2020-07-01 13:50 | 建築

雲母寄稿文『地方の学生がアトリエ事務所に入るまで』

京都造形芸術大学の通信制大学院 建築コースにて、2012年から住宅設計のスタジオの非常勤講師を7年勤めました。
2019年度いっぱい、担当スタジオの教授で、わたくしの師匠である伊藤寛先生が退官された今年2020年の3月、修了式が最後になるはずでしたが、コロナの影響で秋に延期され、なんとも言えない立場です。笑 
正確には、まだ講師なんですけど、スタジオの担当は仕舞いです。

横内敏人先生、堀部安嗣先生、数年ご一緒させていただいた三澤文子先生。
学生指導の場を通じての贅沢な学びの機会でした。感謝の気持ちでいっぱいです。
(と、誰も読まないであろうブログに綴るあたり。。)

非常勤の同僚(というのもおこがましい)鎌田秀章先生 豊田保之先生 丸山弾先生
皆さん気配りとホスピタリティの凄さ。
この年月で己の欠けに気づくことができたのも得難い機会でした。
あまり活かせていなくてごめんなさい…苦笑

スタジオや他のスタジオの学生たちは、通信制のコースだったこともあり、人生の先輩も多く。社会人としても設計事務所の経営者としてもこちらが学ぶ立場ですから、、という方も多く居ました。

年に4回の京都出張や合評会後の懇親会。様々な機会にご一緒できたのも楽しかったなぁ。


伊藤寛先生。スタッフとして働いていた時には見えていなかった建築の核となる考え方を、指導をご一緒することで初めて理解できた7年でした。最初の頃は「あっぷあっぷ」で大変でした・・・この機会を与えてくれたこと、感謝しても仕切れません。

ここで得たものをどこでお返しできるのだろうか、お返ししなくては。
最近そんなことを考えています。



梅雨入りした6月の今日、こんな変なタイミングで振り返りをなぜするかと言いますと、
7年の間に溜め込んだファイルを(会議録、指導のために集めたり、作成した資料も)重い腰をあげて整理をしました。(まだ終わってませんのですけど笑)

「雲母(きらら)」という学生向けの冊子に、教員によるリレー式エッセーのコーナーがあるのですが、担当3年目の当時(2014年11月号)に寄稿した原稿を発見しましてここにもあげておくことにします。
誰か必要な方に読まれる日も来るかもしれません。笑
学生がコピー取って回しいてたと言われ、びっくりしたことがあったのですけどね。

確かに、自分のどこかでくすぶっていた「黒歴史」を言語化する機会になったのです。


「すみずみまで自分の目が行き届いた空間を造れるように」

などとは。確かに考えていましたね!
おかげで今まで大変ですが(苦笑)、この原稿を発掘したことで、改めて思い出すことができました。よろしければ、ご笑覧ください。
    

    *          *          *


『地方の学生がアトリエ事務所に入るまで』


すみずみまで自分の目が行き届いた空間を造れるようになろう。
 卒業したらアトリエ事務所に入って住宅設計の仕事をしよう。

 大学で建築学科に入り、設計課題に取り組むうち、私はこんな風に考えるよ
うになっていた。旅や、人の影響もあったが、なぜかビルなどの規模の大きな
建築には関心が持てなかった。
 当時、地方の学生にとって建築家は雑誌の中の存在だった。就職先はアトリ
エ事務所、しかも東京の、と思い込んではいたが、ツテも具体的なあても無か
った。M1になった夏休み、先輩の紹介と、JIAにも応募して東京の設計事務所
にオープンデスク生として通った。遠い存在が一気に身近になり、楽しかった
ことを思い出す。その夏のもう一つの収穫として、訪ねて行った先輩の「その
先生のデザインが本当に好きでなければアトリエ勤務は続かない」という言葉
を私は大事に持ち帰った。
 冬になると、周囲は就職活動で騒がしくなった。設計志望の同級生達は、製
図室にブースを張って早々にポートフォリオを造りはじめた。大手の組織事務
所やゼネコンは試験の時期が早い。「一度組織に入って、社会経験を積んだ方
が良い、アトリエ事務所に入るのはそれからでも遅くないはず。」何の見通し
もない状況で、親の助言はもっともに聞こえた。会社に入ってからの仕事には
全くリアリティーが持てないまま、自分も泊まり込みでポートフォリオを仕上
げ、中堅の組織事務所を受けた。
 丁度氷河期と言われる不況に入った頃、学校推薦の枠もないところに、女子
学生の入り込む席は無かったようだ。1社受けておけば、親への言い訳も立つ
とシナリオの内だったにも関わらず、意気消沈する自分が居た。心が定まらな
いことへの自己嫌悪もあった。何ともヤワな話なのだが、試験に落ちたのはそ
の時が始めてだった。
 煮詰まったままM2の夏になった。
このままで居る訳にはゆかぬ。研究室の鍵のかかった先生の部屋から建築雑誌
のバックナンバーを持ち出し、夜な夜な頁をめくった。「そんな方法じゃ見つ
からないよ」という先輩の助言にも、手は止まらない。図書館で住宅に関する
本をあたり、本屋で雑誌を立ち読んだ。
 たくさんのデザインを見て、食傷気味になるほど。素晴らしいと感じる作品
も、そこで働くことにはピンと来ないこともあった。そうしているうち、ある
別荘に、また別の雑誌で内外土塗り壁の住宅に目を奪われた。そして、それが
同じ建築家の手によるものだとわかったとき、訪ねるべき相手を見つけたこと
が解った。自然素材を使っているだけでなく、形をポジティブに扱い創造の自
由が感じられた。「こんな風に造るんだ」と聞こえるようだった。
 夏の盛り、ビアガーデンでアルバイトをし、バイト代を受け取ると、ポート
フォリオを持って再び東京にやって来た。折角来たのだから、と できるだけ
廻るつもりだったのに、第一志望の事務所を訪ねてしまうと、やるべきことは
やったように思え、私は学校に戻ることにした。

 年末、運良く内定を貰い、卒業後は晴れて事務所のスタッフとして働き始め
た。約5年勤めたことになる。かつて煮詰まっていた学生は、自分の事務所を
つくり、学校で教えるようになった。I先生には感謝しかない。内定を告げる電
話で何気なく口にされた、「まずは大学院を卒業することだな」という言葉が
なければ、無事に修論を提出できていたかも怪しいのだから。

雲母寄稿文『地方の学生がアトリエ事務所に入るまで』_e0132960_21055278.jpg
雲母寄稿文『地方の学生がアトリエ事務所に入るまで』_e0132960_21021283.jpg

# by o-oik | 2020-06-11 21:13 | 日常

【WHAIS】10月イベント『まあるい土鍋で季節を食す』

WHAIS ランチラボ+(プラス)vol.12
秋のイベントのフライヤーができました。

数年に一度、ご飯をたべるイベントをやりたくなる性(さが)?
企画原案、このイベントの「中の人」はわたくしです。(笑)
当日会場に居ります、よろしければご一緒いたしましょう。

【WHAIS】10月イベント『まあるい土鍋で季節を食す』_e0132960_10265618.jpg
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「まあるい土鍋で季節を食す」
— 美しいものを見たり・美味しいものを食べる“場”をご一緒しませんか?
ここから出会い何かが生まれる「テーブル・ランチラボ」のはじまりです —
イタリアの食卓で・日本のお茶の間で。人が集いにもとめるものはそれぞれでも、そこから生まれる
未来は繋がっている…? キッチンのあるコミュニティスペース『Okatte にしおぎ』にて開催します。


■日時 2019 年10 月11 日(金)
10:10 受付開始
10:30 -12:00 ゲスト講師のお話
その1 我妻さんのお話「旅する土鍋が見た!食べた!イタリア」
その2 尾堤さんのお話「ニッポンの茶畑からーお茶の間の復活!」
12:00 『土鍋』ランチ &『お茶の間』タイム

■会場 okatte にしおぎ 東京都杉並区宮前5-9-8
URL:http://www.okatte-nishiogi.com/

■講師 2人のゲスト講師をお迎えします!!
陶芸家:我妻珠美さん
工房Cocciorino コッチョリーノ
“地球のかけら”主催。作陶のほか、土鍋の季節の
レシピの紹介、スーツケースに土鍋を詰めて修
行の地イタリアを巡り食の風景を届けるアート
ワーク「旅する土鍋」を毎年行っている。
皆で囲めば見知らぬ人が微笑み合い話題が広が
る「土鍋」は「PIAZA(広場)」
それが土鍋プロジェクト。
#旅する土鍋
#cocciorino #tamamiazuma
tamamiazuma.com

御茶屋経営:尾堤宏さん
埼玉県春日部市で明治元年の創業から100 年以
上続くお茶の老舗「おづつみ園」の4代目社長。
有機堆肥で育てた茶畑でのお茶摘み体験教室は
40年以上続けている人気のイベント。
『お茶のある素敵な暮らし』を旗印に、地元・
春日部から日本中そして世界へとフィールドを
広げる。日本茶カフェ「はなあゆ」は要注目!
#おづつみ園 #カフェはなあゆ
#春日部#kasukabe
#お茶のある素敵な暮らし
ochanoko.co.jp


■参加費 2500円(ランチ、飲み物含む)
■定員 13名
■対象 経営に関心のある方ならどなたでもご参加いただけます
■予約受付 10月 9 日(水)まで

■お申込み
10 月9 日(水)までに
FAX 又はメールにて下記までご返送ください
WHAIS事務局(担当:久保田昭子)
TEL 045-522-8578
E-mail info◎whais.jp (◎を@に変えてください) 

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# by o-oik | 2019-09-12 10:39 | お知らせ

東埼玉の家の3年点検

東埼玉の家の3年点検に伺いました。もう3年、でもまだ3年。外回りから順に見ていき、基礎や軒裏、外壁、モルタルにクラックが入っていないか等々。内部は建具など中心に、引渡し後に調整が入った箇所がありましたが、その後は不具合なくお使いいただいており、ほか内装に設備(中略)見て問題なく点検を終えました。

木製のデッキや板塀も、メンテナンスの再塗装を既に実践されていて、特にご指導をするような必要もなかったため、次は外装関係の経過をみながら10年後目途に気になることがあればとお話をしました。

ご主人手ずから入れてくださったお茶をいただきながら、何の話をしたのかというと、最近心奪われている音楽について・それから日本茶についてわたしばかりがしゃべっていた気がするなぁ・・。
東埼玉の家の3年点検_e0132960_08472983.jpg
木が育ち、建物もその場になじんでいるように見えました。
写真が見切れていますが(ゆがんでしまいカットしたため)
板壁も妻側からだんだんグレー系に変色して良い感じに。
ここに来ると、時間の流れ方が穏やかになるような気がするのは設計者の贔屓目でしょうか、
相変わらずよい家でした。(笑)

↓以前、お施主様が書いてくださったレビューへのリンクを貼っておきますね。
 こんなに良く(!)書いてくださったというのに、人の目に触れていない気が…
 (ココもどうかという…)

もともと住宅メーカーで家をつくるつもりだったところから、気持ちが変わり
個人の建築家に設計を依頼したことや、頼んでみて良かった点についても
建築主の立場から客観的につづられています。
設計事務所に依頼するのってどうなの?と迷われている方には参考になるかと思います。
ぜひご一読ください。


# by o-oik | 2019-09-12 08:58 | 東埼玉の家